鹿畑村の鎮守の素盞嗚神社の木村貞三宮司と氏子総代ら宮役員によって編集された神社記録(昭和33年3月)に次の事が書かれている。

一部伝説によると、昔し鹿が住み居りし為、鹿畑村と名付けられた。
其の鹿を奈良春日神社へ奉納せられしものにして、奈良の鹿は元来、鹿畑村より奉納せらしものと聞く。
其の頃には毎年正月元旦の朝には必ず、氏神社頭に鹿が雌雄で参詣し、又「向山」の踊り場(八王子社の上)で黄金の鶏が雌雄で東天光と鳴いて、村の繁栄を祈り告げしと聞く。
車倉庫の扉に、安政六巳未年九月吉祥寺と時の年号と紅葉に鹿を彫刻してあるが、その昔鹿畑村に鹿が住み居りし事を思い出せるようである。

出展:
生駒市誌5(通史・地誌編)地誌編1.4節 p335
昭和60年3月1日発行
発行:生駒市役所
編纂:生駒市誌編纂委員会